島根益田市 田ノ原牧場~山地酪農の実践~

島根のちょっと山奥で自然と共に生きる酪農家(を目指す)ブログです。
2017年10月現在、山羊一頭と猫2匹,牛四頭。少しの田んぼと畑を無農薬で細々とやりながら、牛を山に放牧しながら、耕作放棄地となった田と荒れた山を開拓しています。

無事稲刈り終了!

猛暑や連続台風、イノシシの侵入など、いろいろとトラブルはありましたが、なんとか今年の稲刈りが無事終了しました。


6枚で5反ほどの小さな田んぼではありますが、雨の隙間を縫って1週間ほどで終わらせることができました。
我が家の田んぼ装備は、小さなトラクター、2条植え田植え機、2条刈りコンバインですので、どんなに頑張っても1日で刈れる量は1反半くらいです(朝は露があるので刈れない)。


我が家の田は毎年無肥料、無施肥、農薬は最初の植え付け時に1回のみの減農薬です。
今まで収量を追い求めてきたことがないので、反当り一般的な米農家の約半分です。


お金にならなくても、美味しくて安全なお米を自分たちの手で細々と作り続けてきたおかげで今のちゃんとした田んぼがあります。
お父さん、お母さんはもちろん、この土地を守ってきた人たちには感謝の念に堪えません。



山で発見したハート形の竹。

ハートというよりは源氏パイ?無性にお腹が減ってきました。
山が作り出すアートですね。

竹林ゾーンも少し終わりを見せ始め、木々が根を張る山林ゾーンに入ってきました。
量はないので燃やすのは楽ですが、なるべく元の自然の美しさは残したままにしていきたいですね。


(ものの~け~たち~だけぇ~~)
のBGMが脳内再生されるほど山との親和性の高いヤギのスケさん。
ヤックルかな?
嬉しそうに山をずんずん登っていくので、また遭難されないようちゃんと首輪にロープを結んで引いています。


稲刈りも終わり、いよいよ秋の到来を感じます。
秋野菜との来年の春野菜の準備を着々と進めていく今日この頃でした。

田んぼの土壌改良【緑肥で水はけ改善、地力UP!】

梅雨に竹暗渠を入れて、山からの水を排水させた田んぼに、今度は雪印種苗の緑肥であるセスバニア【田助】を撒きました。



マメ科の根は一直線にまっすぐ伸び、硬い地中にできた岩盤にひびを入れ、水はけを良くします。さらにマメ科は根に根粒菌という空気中の窒素を固定して栄養分とする菌を保有するので、マメ科を育てた後に土にそのまますき込むと土壌の有機成分と窒素分が同時に増えます。セスバニアはマメ科の中でも根だけでなく茎にも根粒菌を保有するので、水はけの悪い田んぼでも大きく育ちます。普通に雑草として生えているような草ですが、実はとても有用な草なのです。



トラクターで軽くロータリーをかけてからの播種、一応鶏糞と石灰をぱらっと撒いてからの播種。合計3反ほどで4キロ蒔き、種代10000円ほど。

播種後1週間後の田、水草と同程度に全面にうっすらと生えてきた。発芽率はかなり高かった。しかしこの後日当たりのよいこの田のセスバニアはアブラムシにより大半が食いつくされてしまった。成長もイマイチ。土質の関係もあるかもしれないが、土が痩せすぎていたのかも。左上は撮影者の指です。

こちらは3週間後の日当たりの悪い田です。虫もつかず、全体的にセスバニアが繁茂しており、特に周りの木を燃やして炭があった場所(真ん中やや左上付近)はもっさりしています。

上戸同じ田んぼ播種後1月半後です。順調に育ったセスバニアは2メートル近く大きくなっていました。全体的にはまだ80センチ程度でしょうか。


あまりに水気が多い場所にはあまり残っておらず、生えていても生育は悪かったです。
根は思ったよりも長くなっておらず、10センチほど。ここからどこまで大きくなるかわかりませんが、種が落ちる前には刈り込まなければならないので、あと1~2週間くらいがリミットです。


反省点としては、播種前のロータリーが甘かったこと、初期段階で害虫の駆除を行えなかったこと、播種時期が微妙に遅かったことなどです。


大体田んぼが持ってる地力もわかったので、今後は肥料をいれたり、水はけの特に悪いところを集中的に改善したりして対策をしてこうと思います。

大雨が降ったあとは、秋の風が感じられるようになりました。
そろそろ秋野菜の準備もしていく時期ですね。空も秋模様になってきて、なんだかうれしくなった今日この頃でした。

山の開拓【IN SUMMER】

暑い日が続きます。


暑すぎます。ただでさえ暑いのに山で切った竹やら木やらをガンガン燃やしていくのでその暑さは相当なものです。
最初は日陰になっていても、開拓が進むにつれて影も少なくなっていきます。


午前中の涼しい時間帯に如何に効率よく動けるかが肝です。

上は開拓途中の写真です。右手に小さな栗の木があります。手前は田んぼで、左側は山です。山側は竹で全く奥が見えない状態です。

真ん中に見える小さな木が上の写真の栗です。山側が少しすっきりしました。
山側の竹は全て切って田んぼの中で燃やします。
これだけ開くのにも二人がかりで1月くらいかかってしまいます。

これが現在開拓している山を手前から撮った写真です。
今年の4月から開拓を始め、最初の写真のように竹だらけだった山を少しずつ開拓しています。昔は山の斜面も利用して畑にしていたらしく、開拓した山の中にも平らな場所がポツポツと表れてきます。こういう場所は芝が生えやすく、牛も休憩しやすいのでとても有り難いものです。先人の努力には全く頭が下がります。


手前の斜面にはすでに色んな野草が生え始めています。竹藪を開いたばかりの状態では写真の真ん中のように草はあまり生えていませんが、2~3か月もするといろんな野草が我先にと生えてきます。
一応、サマーグラス(センチピートグラス)の種を点々と蒔いたり、育苗したものを植えたりしています。サマーグラスは初期生育が遅いので、最近ようやくランナー(匍匐系)を伸ばし始めました。育苗箱で育てていたものは移植が遅れ、半分くらいは枯らしてしまうという失態。結局現状では直播ではえたものが一番残っています。
放っておくと刈り取った竹や笹が茂ってしまうので、2~3週間に1度くらい草刈をしています。いち早く牛を放牧して下草を食べて欲しい…


朝早く山に行くと、朝日が光々と田を照らし、竹との競争で異様に大きくなった木からの木漏れ日は言葉に出来ないほど幻想的です。


ここに牛が入れば完璧だなあ、と来年を待ち遠しく思います。それまでに環境を整えるため馬車馬のごとく働かなければ!!