島根益田市 田ノ原牧場~山地酪農の実践~

島根のちょっと山奥で自然と共に生きる酪農家(を目指す)ブログです。
2017年10月現在、山羊一頭と猫2匹,牛四頭。少しの田んぼと畑を無農薬で細々とやりながら、牛を山に放牧しながら、耕作放棄地となった田と荒れた山を開拓しています。

冬の仕事と、土壌改良(セスバニア&竹暗渠)経過報告

更新が遅くなってしまいました。
なんでしょうか、冬という季節はなんだか色々なことがスローペースになってしまっていけません。
今まで東北や北海道の極寒の地でやってきた経験から、中国地方の寒さなどなんてことないと思ってきましたが、寒いものはやっぱり寒いですね。
重ね着の枚数が1~2枚減るくらいの違いです。

とはいえ雪が積もらないというのはありがたいことで、基本的には山の開拓をチビチビ進めています。この季節、山陰は雨が多くなかなか出れないことも多いです(むしろ年中多い)。


しかし、今年は暖冬の影響があってか、スタートの遅れた冬野菜もそれなりの大きくなってくれています。

ブロッコリーももう少しで収穫できそうです。
あとは白菜と大根が順調に生育しています。

ヤギを放していたスペースは水はけが良かったので、半分は畑にして玉ねぎを植え、もう半分は牧草のイタリアンライグラスを試験的に遅まきしてみました。
ロータリーをかけるのが遅れたため、播種は11月になってからになりましたが、現在草丈5センチくらいで、なんとかものになりそうではあります。

畑に植えた晩生玉ねぎのもみじの苗。畑はロータリー後2週間は置きましたが、まだ土中の有機物が分解されているため、ところどころにキノコが見られます。
田んぼ後ではありますが、水はけはそんなに悪くなさそうです。



大根とゴボウも高畝で撒いてみました。生育はわりと良さそうな感じ。

一応使ってない畑の片隅に落ち葉を集めてヌカ、油粕をふり、来年の堆肥も作ろうとしています。交互にサンドイッチした上にブルーシートを張り、水が入らないようにしています。


最後に、今年の田んぼ後の土壌改良の経過です。
まず6月に行った竹暗渠ですが、これは目に見えて効果がありました。今までだだもれだった水がちゃんと排水されるようになり、田んぼ全体が1段階乾いてきました。
手間と費用はかかりますが、水が流れ込んでくるような立地では、まず水の通り道を作ることが最優先です。今後も(予算に応じて)定期的に行っていきたいです。


次に緑肥であるセスバニアですが、正直言って微妙でした。確かに大きくなることはなりますが、かなりその土地によって生育にムラが出ました。湿地に強いというのは確かですが、あまり極端に水はけが悪いところでは発芽もしません。
播種時期を早めて5月くらいにできればあるいはもっと成長したのかもしれません。
猛暑と干ばつによって発生した虫の被害も大きく、緑肥に農薬を使うのもバカらしいと思い、放置したところ半数が立ち枯れしました。2メートル近くまで大きくなったものもありましたが、根っこはせいぜい10センチ程度の伸びしかありあませんでした。
結論として、土壌改良として用いる緑肥は、費用は安くつくものの、環境の変動や播種時期によって効果は大きく左右され、安定した効果を発揮するには周到な準備と運、適切な場所選びが必要である、といったところでしょうか。単純に有機物を土に入れたいときにも同じことが言えるでしょう。


竹暗渠は費用が10万からかかってるのに、対し、セスバニアは種代の5000円程度ですから、比べるのもおかしいですが、やはり費用なりの効果というはあると思います。
緑肥は種類もセスバニア以外にも数多くあるので、今後いろいろと試していく価値はあるとおもいます。


田んぼ跡地の土壌改良を考えている人の参考になれば幸いです。

新しい家族、増えました!

生後7か月くらいの雌のヤギ、【あんずちゃん】です!
あんずちゃんは私たちがヤギをもらった農家さんに最初にご挨拶に行ったときにちょうど産まれたヤギで、早産だったこの子は乳ももらえず、初めは息も絶え絶えでした。


今では飼い主さんの頑張りですっかり元気、顔に怪我を負ってしまったりもしましたが、無事大きく元気に成長しました。
このたびスケさんのお嫁さんとして我が家に迎えられることになりました。


雌で、さらに人と接する機会の多かったこの子はとても人懐こく、フレンドリーです。
好き嫌いの多いスケさんと違い、我が家の雑草もモリモリ食べてくれるのでとても助かります。
あんずちゃんに影響されてか、最近はスケさんも人懐こくなってきて、一緒に仲良く草を食んでいる様子をしばしば目にします。
久しぶりに仲間にあえて嬉しくて仕方ないようです。


電牧も四段で設置し(2,3段では何度も脱走された、杭は山から切り出してきた)、小屋も廃材で新たに1つ作って設置し、いまのところうまくやっていけているようで良かったです。来年には赤ちゃんも生まれてきてくれるでしょう。今から楽しみです。


一応、ちゃんと山も開拓しています。

ちょっと山に放牧してみたスケさん

美味しそうな草だけを選んでぐいぐい奥にすすんできました。
その後スケさんは山に姿を消し、三日後に無事に1つ山を越えたところで警察に取り置さえられ、我が家に戻ってきました。

ポポーっとターザン

うちの山の開拓を進める中で、木がなくなりだんだんと山が明るさを取り戻して来ました。
しかし一方で山に今までいなかった害獣が出没するようになってしまいました。
そう…それは【猿】です!
彼らは大木に絡みついたツルを伝って木から木へまるでターザンのように縦横無尽に飛び回ります。

なんと今回は偶然にもその写真を激写できたので公開させていただきます。



これは恐らく雄ですね。体格が雌より一回り大きいです。

同時期に雌も撮れました。どうやら集団で行動している様子で、
ツタが切れるか切れないかのドキドキ感を楽しんでいるようです。


山を開拓していると本当に色んな自然の生き物を発見できるのも楽しみの一つです。


それと、一向に残暑が去らない中でも秋らしい果実をいただきました。

これは?


一発でわかったひとは少ないかもしれません。自分たちも初めて口にしました。


島根県のローカル名物、幻と言われる果物、ポポーです。
見た目はアケビのようで、生焼けの焼き芋のような色をしていますが、中を割ってみるときれいなクリーム色。香りは甘酒のような熟しすぎた果実のむわっとした香り。


一口食べるとバナナの風味のあとにパインやパッションフルーツ、マンゴーを合わせた濃厚でトロピカルな味わいが広がる。舌触りは少しざらつくがねっとり感もある。半熟の柿のよう?


最近ネットやメディアで取り上げられ、収穫量のわりに供給が追い付かずプレミア価格になっているというポポー、貴重なものをいただき、良い体験ができました。
みなさまも見かけることがあれば是非一度召し上がってみてください。


ポポーの種はとっておいて来年植えようと思います。
実が食べれるまで4~5年かかるようですが…


最後はひと夏を共に過ごし、少し距離の近づいた二人の写真。