島根益田市 田ノ原牧場~山地酪農の実践~

島根のちょっと山奥で自然と共に生きる酪農家(を目指す)ブログです。
2017年10月現在、山羊一頭と猫2匹,牛四頭。少しの田んぼと畑を無農薬で細々とやりながら、牛を山に放牧しながら、耕作放棄地となった田と荒れた山を開拓しています。

長すぎる一日(前編)

10月25日は雨でした。
前日から降りしきる雨で、温度も上がらず地面もぬかるんでいました。


また、青々と生い茂っていた草も少なくなり、牛たちは田んぼのなかにも入って一生懸命わずかに残った草を食んでいました。


この日は仕事で帰りが18時くらいになり、暗い中いつものように牛たちに餌をやりにいくと、いつも真っ先に飛んでくるはずのココちゃんの姿が見えません。


まず子牛たちが寄ってきて、そのあとネネちゃんがのそのそ出てきましたが、牛たちが餌を食べている間も、ココちゃんの声も聞こえません。


これはおかしい、と思い、すぐ家に帰ってお義母さんを連れてきて懐中電灯で山の周りを見て回りました。



ココちゃんはそのあとすぐ見つかりました。


横になって転んで起きれなくなり、おなかにガスがたまって死んでいました。
ぬかるんだ畔で滑って、変な倒れ方をしてしまったため起きれなくなってしまったのです。


牛は4本足なのでぬかるみには強いですが、横になってしまうと自力で立てず、その後3~4時間もするとお腹にガスがたまって死んでしまうのです。


恐らく昼すぎくらいに倒れてしまったのでしょう。ココちゃんの動かなくなった体には、まだほんのり温もりが感じられました。


その日はどうすることもできず、親の近くでなく子牛のゲンジに
「お母さん助けられなくてごめんね」
と謝ってから家に戻りました。


家に帰ってから、どうすればココちゃんを救えたか、自分に何が足りなかったかをグルグル考えていました。


・もっとしっかり冬季の餌を早めにやっていれば
・ぬかるんだ場所を避けて放牧していれば
・見回りに行くのを頼んでいれば


放牧に事故はつきもので、どんなに気を付けても死ぬときは死にます。
特に舎飼いだった牛ならなおさらです。


ココちゃん、ネネちゃんがあまりに順調に山に馴染んでくれてため、油断していた。
牛に甘え、飼い主の責務を果たせなかったことが原因。



初めて外に出されて、虫にたくさん刺されて、夏の猛暑を必死に乗り越え、田んぼに泥まみれになりながら入って草を食べていたココちゃん。


わがままで勝ち気で、ブラッシングが好きな牛でした。
ほんの半年足らずだったけど、ココちゃんのおかげでゲンジは大きく成長したよ。
山の芝もきれいになってきたよ。


上手に飼ってあげられなくてごめんね、今までありがとう




しかし、これは序章に過ぎなかった・・・

小さな牛舎、建つ(骨組だけ)

ながーい間がまたしても空いてしまいましたが生きてます!


牛たちもすっかり山に慣れ、ぬかるんだ田んぼにズボズボ足を突っ込んでは草を食べ、たまった水たまりの水を飲むくらいに逞しくなっています。


道に出した牛がすっかり道草を食べくれました。
夏場は草の再生力のほうが勝ってしまいますが、10月になると徐々に草が足りなくなってきます。


子牛も乳と草、両方を食べておなかいっぱい

荒地にも積極的に入っていきます。子牛のほうが身軽なぶん広範囲の草を食べてくれます。食べない草はたまに抜いて回ることで牛の食べる柔らかい草を残します。


天気のいい日はみんなで並んでお昼寝、しっぽを振り振りしてとても気持ちよさそう。


そして、いよいよ牛舎が形になってきました。

じゃん

じゃじゃん

じゃじゃじゃ~
・・・( ^ω^)・・・ん!?


完成前に待ちきれずに牛が入ってきてしまいましたね。餌がないとわかるとさっさと彼らは草を食べに出て行ってしまいました(笑)


骨組みは知り合いの大工さんが作ってくれたので、あとは屋根と雨どい、2回物置の床面を張ればとりあえず雨はしのげます。


水稲でみんな忙しい時期なので、完成はもう少しかかりそうです。


自分は秋野菜の準備に追われています。


大根、白菜、玉ねぎ、ネギ、青梗菜、蕪、水菜、からし菜、子持ち高菜
以上の種まきは終わり、
これから
ゴボウ、菜花、スナップエンドウ、さやいんげん、ソラマメ
の種を蒔きます。

2頭目、誕生!


真夏の暗闇の中で蠢く黒い影・・・
不気味に光るその眼差しの正体は・・・!!


ココちゃんが産んだわが牧場2頭目の子牛!
その名もゲンジ!!


2頭目はオスの子牛ちゃんでした。


名前の由来はゲンジホタルからです。


ゲンジは竹藪の隅で産まれました。
安産で7時から3時間くらいでポロっと産まれました。


今ではホタルちゃんと一緒に牧場を跳ね回っています。
ホタルのほうもすくすくと大きくなっています。


ただ、益田市は一時39度の猛暑を迎え、さすがに牛たちも暑さに参ってしまいました。


牛は低温には強いですが暑さには弱いです。30度を超えると大きなストレスを感じてしまいます。
ジャージー種は比較的暑さに強いと言われていますが、今年の夏は暑過ぎました。
今はピークを過ぎて落ち着いて決ましたが、来年にはもっと避暑地を作ってあげないといけません。


ホタルちゃんつんつん


パクっと
とっても可愛いです。

猫たちも暑さで溶けていました。
皆さんも残暑にはお気をつけください。