島根益田市 田ノ原牧場~山地酪農の実践~

島根のちょっと山奥で自然と共に生きる酪農家(を目指す)ブログです。
2017年10月現在、山羊一頭と猫2匹,牛四頭。少しの田んぼと畑を無農薬で細々とやりながら、牛を山に放牧しながら、耕作放棄地となった田と荒れた山を開拓しています。

秋の牧場三年目、新たな出会い

秋の訪れは牛の食べる草がなくなると来ます
今年はサイレージをたっぷりと作ったので、余裕があると思います


近場の耕作放棄地2反ほどを新たに借りて採草地にしました
今年はソルゴーを3反、イタリアンを2反ほど作り、すべてサイレージ化しました


途中天候が安定せず、急ピッチな作業になりましたが、なんとか無事すべて回収
ただし、ソルゴー3反分は想像以上に重く、トラックまで畑から集めるのだけで大変な手間でした(訪ねてくれた客人にも手伝ってもらった)。1反当り集めるのに2時間、運ぶのに30分、裁断に1時間
もう来年はやりたくないので、イタリアンの作付けを大分増やす予定

山羊たちは相変わらず仲良しで、オスのすけさんに子ヤギはなついており、いつも一緒に行動しています
最近子ヤギは牛舎の餌を盗み食いするのが困りもの

そして牧場に新しい仲間の姿が

和牛のてるちゃん、3歳が津和野の京村牧場さんからやってきました
初めての和牛ということもあり、うちの山に慣れてくれるか心配でしたが、今のところ牛とも山羊ともボチボチ仲良くやってくれています。もともと放牧経験のある子だったので、適応力が高いみたいです


笹も好んでよく食べてくれます
12月には子供を産む予定なので、無事産めるようサポートしてあげねば

牧場、三年目の夏

今年の夏は暑いだけでなく雨がほとんど降らなかったですね
未だかつてないほどの干ばつで、雑草もしおれてくるほどでした


それでも強かったのはやはり芝でしたね
再生は遅かったものの、枯れることはありませんでした


うちには野芝とセンチピート(ムカデ芝)がありますが、どちらもしぶとく生き残っています
しかし、種を蒔いてからすくなくとも2年はものになりませんね
一度根付くと強いですが、根付くまでが長い上に発芽率も低いです


バヒアグラスは芝よりは発芽、発育はいいですが横に伸びる力がなく、芝より干ばつに弱かったので一時は枯れてしまいました
雨が降って最近また生えてたので、根っこは生きてたみたいです


道端の草も牛と山羊が良く食べてくれるので今年は2回くらいしか牧場側は草を刈らなくてもすみました。草の高さが出ないので、刈るのも年々容易になってきています


杉林で涼む牛たち、ゲンジとホタルはそっくりで近くでみないと見わけが付きづらいです


暑かった夏もようやく終わりになってきたようです。日本各地、大変な年となってしまっていますが、皆がどうか息災で過ごせますように。

芝の種まき改【山かけとろろ方法】

5月下旬に今年も山に芝の種まきを行いました。


昨年度までの反省を活かし、初期成育と活着を良くするためにネットや雑誌で見かけた【山かけとろろ法】なる播種方法を試して見ました。


用意するもの


・播きたい種(今回は野芝1.5kg、バヒアグラス3kg)
・混ぜる容器
・バケツ
・古新聞1日分
・のり(今回はアミノールという障子用糊)
・水適量


1 まず、あらかじめふやかしていた新聞紙を水でバラバラにほぐします。
  そんなにこの段階では細かくなりませんでした。

混ぜているうちに色がインクで灰色に…少量の水でやりましたがこれで大丈夫なのか不安がよぎる


2 大体ほぐれたら次にアミノールを入れます。むにゅむにゅした感触で気持ちいい!
  スライムのような感じかな。小学校時代を思い出します。

再び混ぜ混ぜ
この段階で新聞紙と水のなじみが少しずつ良くなって、全体的にとろみが出始めました。
それっぽくなってきたかな?

3 最後に種を入れて混ぜます。画像は汚らしいですが、軽い種は浮いてきますので良く混ぜてなじませます。


4 出来上がったものをバケツにとって柄杓や入れ物に入れて撒きます。


播かれた芝の種
小さな種が1つ1つばらけているのが分かります。普通に播くとどうしても細かい種はまきずらく、見えにくいので余計に播いてしまいますが、新聞紙の色でどこに播いたかも分かりやすくなりました。


乾いた新聞紙は湿度を適度に吸って、保水性を高め、発芽に必要な水分の補助になります。最後にはそのまま土に帰るのでとてもエコです。


【山かけとろろ法まとめ】
今年初挑戦でしたが、やってみて思ったのがとにかく播きやすい。適度なドロッと具合が遠くまで播きやすくしてくれるし、播いた位置が分かりやすいので無駄まきを防げる上にその分広範囲をカバーできる。
コスト的にも、ホームセンターで800円くらいの糊1つで済んだので、大変パフォーマンスに優れています。
特に細かい種は手で播くのは至難の技、さらに芝系等は種代が恐ろしく高いので、失敗はしたくありません。
見た目はとろろと言うより下水みたいな色になってしまいましたが、我ながら例年よりずっと上手く播けたと思います。


芝、バヒアグラスともに、発芽までの時間が長いため、まず播いた年には効果が実感できませんが、来年以降の成長に期待します。


ちなみに今回は約20Lくらいの水に対してアミノール1つでチャレンジしたのですが、途中でアミノールが足りなくなってしまい、やむなく田んぼの泥で代用しました。
が、やはりアミノールのほうがずっと播きやすいので、来年はもっと準備をしておこうと思います。


芝を種から直接播種したいと思っている方には大変お勧めできるやり方でした。